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パッチ公開前に情報が流出した2件の重大なPHP脆弱性:組織が今すぐ取るべき対応

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APT(高度な標的型攻撃)

侵入型広告:従来とは異なるサイバー監視のアタックサーフェス

TrendAI™ Researchは、リアルタイムで行われる広告技術の入札プロセスを悪用し、紛争地域、制裁対象国をはじめとする世界各地の機微な場所にいる個人を追跡・プロファイリングする組織「SHADOW-EARTH-79」の活動を分析しました。

APTリサーチ特集

Key Takeaways

  • TrendAI™ Researchは、位置情報の追跡、広告技術を利用した監視、インテリジェンス収集を目的として、広告インフラが大規模に利用されていることを確認しました。こうした活動から得られるデータは、紛争地域を含む機微な場所にいる重要人物を正確に狙ううえで有用です。
  • TrendAI™ Researchが「SHADOW-EARTH-79」として追跡しているグループは、49カ国で広告インプレッションの落札件数が最多の入札者でした。その多くは、複数の政府が渡航注意情報や危険国リストに掲載している国です。また、活動が確認された時期の前後に選挙などの重要な出来事があった国も含まれます。さらに、正当な商業広告の需要が存在しない制裁対象国や紛争地域でも、このグループは広告インプレッションの主要な入札者となっています。
  • 観測したStarlinkトラフィックでは、SHADOW-EARTH-79が105カ国で落札件数最多の入札者となっていました。同グループはStarlinkトラフィックにおける全落札イベントの約13%を占めています。これは他の入札者の平均(約3%)の約5倍で、取引量の多いバイヤーの中で最も高い割合です。Starlinkは、地上通信網が損なわれた紛争地域で広く利用されています。
  • SHADOW-EARTH-79が運用するバックエンドシステムを特定し、JavaScriptバンドルのAI支援型分析によって再構築しました。これにより、標的型広告を利用したインテリジェンス活動の仕組みを把握し、分析できました。不自然なターゲティングと、確認された「顧客」向けインターフェースの機能を総合すると、このシステムは追跡とターゲティングを目的とする監視プラットフォームであることがうかがえます。

リアルタイムビディング(RTB)は、デバイスで生じる広告インプレッションをミリ秒単位で競売にかけるプロセスです。この明確に定義された仕組みによって、コンピュータやモバイル端末に日々表示される広告が決まります。

競売を実施するため、広告枠をめぐって競うすべての入札者にデバイスの追加情報が提供されます。そこには、デバイス所有者が直接やり取りすることのない入札者も含まれます。提供される情報には、デバイスの位置情報、IPアドレス、自律システム番号(ASN)、種類、モデル、画面サイズなどのデバイス識別情報が含まれる場合があります。広告ID、クリック追跡、位置履歴と組み合わせれば、こうした情報からユーザの詳細な行動プロファイルを構築できます。その後、プロファイリングされたユーザにターゲティング広告を配信することも可能です。

RTBプロセスが完了し、落札者が決まると、その入札者がクリエイティブ素材を配信します。通常は画像ファイルですが、加工された素材からJavaScriptを配信し、詳細なプロファイリングやユーザ監視に向けたデータ収集など、別の処理を実行できる場合もあります。たとえば、次のような処理です。

  • 位置情報を利用したユーザの移動プロファイリング
  • ユーザエージェント、言語、通信事業者、デバイスベンダーの情報を利用したユーザのプロファイリング
  • 広告を配信するWebサイトやアプリで収集した関心情報に基づくユーザのプロファイリング

デジタル広告の悪用は目新しいものではありません。不正広告は少なくとも20年前から脅威となっています。その間、広告技術のサプライサイドを文書化して透明性を確保するなど、オンライン広告に関連するさまざまな不正行為への対策を進めるため、広告エコシステムも発展してきました。

一方、デマンドサイドには依然として悪用の余地があります。本リサーチでは、入札者が広告情報を利用してインテリジェンスを収集したり、攻撃キルチェーンの初期段階を最適化したりする方法を明らかにしています。具体的には、標的に関する情報の収集、標的候補のプロファイリング、さらには監視価値が高いとみられる少数のデバイスを絞り込み、特定のコンテンツを配信しようとする試みが含まれます。

本リサーチでは、悪意のある監視に利用されている可能性がある一連の活動を記録しました。TrendAI™ Researchが「SHADOW-EARTH-79」として追跡している広告技術関連組織について、その活動と支援インフラを分析しています。このグループは、サイバー作戦の一環としてデジタルプラットフォームに広告を掲載し、RTBプロセスで利用可能になる豊富な情報を悪用していることが確認されています。

データと調査方法

以下の各セクションで示す調査結果は、TrendAI™のテレメトリで取得した広告ネットワークログに基づいています。他のデマンドサイドプラットフォーム(DSP)のデータ分析には技術的な制約があったため、分析対象は単一のDSPから得られたデータセットに限られます。それでも、得られた知見は注目に値します。

広告の「ビッドストリーム」に関する情報を得るため、リアルタイムビディングの競売中に入札リクエストを通過する情報を分析しました。各入札リクエストのURLを解析し、分析対象となる情報の中から、入札者の識別子、宛先IPアドレス、位置情報に基づく国、送信元ネットワーク(ASN)などを抽出しました。

その後、イベントを国別およびASN別に集計しました。また、SpaceX Starlinkのアドレス空間(AS14593、「SPACEX-STARLINK」)から発生したトラフィックの一部も分析しました。

本リサーチにおける「リフト」とは、特定のトラフィック区分に占めるバイヤーの割合を、トラフィック全体に占める同バイヤーの割合で割った値です。リフトが1.0を上回る場合、そのバイヤーは全体的な取引規模から予測される頻度を超えて、その区分に入札していることを示します。

なお、本リサーチの分析と観測結果は、TrendAI™が保有するテレメトリデータと可視性の範囲に限られます。そのため、実際のキャンペーンの規模と範囲は、今回把握できたものより大幅に広い可能性があります。表1に、分析したデータ量を示します。

表1:分析の前提を支える十分な処理量を示す収集データの概要
指標値
収集期間(集計系列)2025年12月31日~2026年8月15日
収集期間の長さ228日間
収集期間(行単位の詳細データ)2026年7月29日~8月15日(詳細な内訳の対象期間)
取得したリクエストの総数84,710,348
1日当たりの取得リクエスト数371,537
バイヤーに紐づけられたイベントの総数8,442,507
1日当たりのバイヤーに紐づけられたイベント数37,029
広告の総数(配信されたインプレッション)6,368,517
1日当たりの広告数27,932
コンバージョン総数1,518,112
その他のイベント総数(クリック、落札、レンダリング、Video Ad Serving Templateエラー)555,878
バイヤーに紐づけられたイベントに占めるインプレッションの割合75.4%
バイヤーに紐づけられたイベントに占めるコンバージョンの割合18.0%
バイヤーに紐づけられたイベントに占めるその他のイベントの割合6.6%
確認された固有のバイヤーシート数154
確認された国の数232
1日当たりの固有バイヤーシート数(平均)92.5
1日当たりの固有広告顧客数(平均)186,541
1日当たりの固有広告顧客数(中央値)183,298
1日のみ確認された広告顧客数463,511(44.3%)
18日間のうち14日以上確認された広告顧客数20,133(1.9%)
18日目における新規広告顧客の流入率当日の対象全体の16.1%
広告が配信されたIPアドレスの総数1,045,818
表1:分析の前提を支える十分な処理量を示す収集データの概要

標的となった国(全トラフィック)

TrendAI™の分析では、広告データが競売にかけられた49カ国で、SHADOW-EARTH-79の落札件数が最多でした。複数の国では、通常の競争的な広告購入では考えにくいほど、入札活動全体に占める同グループの割合が高くなっていました。

表2は、SHADOW-EARTH-79が最大のバイヤーとなっている国を、各国の全入札イベントに占める同グループの割合が高い順に示したものです。

特にハンガリー、イスラエル、エジプト、アゼルバイジャン、ベネズエラでは、SHADOW-EARTH-79の入札シェアが72~91%に達し、ほぼ独占状態となっています。タイ、マレーシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦でも高い割合を占めています。

表2:SHADOW-EARTH-79の落札件数が最多となった上位25カ国(同グループの入札シェア順)
国入札イベント総数SHADOW-EARTH-79の
イベント数
SHADOW-EARTH-79の
割合
固有IPアドレス数
ツバル222195.5%16
ハンガリー70,50064,21891.1%8,920
イスラエル136,917123,39690.1%13,828
中央アフリカ共和国6583.3%3
フォークランド諸島171482.4%7
ニジェール13611181.6%82
カメルーン35228781.5%158
スヴァールバル諸島およびヤンマイエン島5480.0%5
エジプト21,51116,60577.2%7,092
アルメニア93171777.0%297
北マリアナ諸島584475.9%37
アゼルバイジャン10,3467,77675.2%1,119
ベネズエラ24,51717,69672.2%3,317
ミクロネシア連邦141071.4%13
チャド241770.8%20
エスワティニ42329068.6%79
ナウル3266.7%3
マーシャル諸島463065.2%25
ブルンジ1569963.5%61
カタール36,02222,05961.2%4,788
サン・バルテルミー島855261.2%35
マヨット1036361.2%53
南スーダン1237157.7%59
シリア472757.4%25
ベナン1196857.1%55
表2:SHADOW-EARTH-79の落札件数が最多となった上位25カ国(同グループの入札シェア順)

観測したStarlinkのIPアドレス空間のトラフィックでは、SHADOW-EARTH-79は落札件数で2番目に多い入札者でした。しかし、同グループの広告インプレッション購入戦略に関する統計と集中度を詳しく見ると、全体的な取引規模に比べて、Starlinkアドレスの広告インプレッション購入へ明らかに偏っていることが分かります。

表3は、Starlinkイベントが500件以上あるバイヤーをリフト順に並べたものです。数値を把握しやすくするため、次の項目を算出しました。

  • 配信された広告の総数
  • 配信された広告総数に対するStarlinkのIP範囲向け広告数(Starlink広告全体に占める割合)
  • ベースラインシェア(配信された全広告に占める当該バイヤーの割合)
表3:90日間のテスト期間におけるSHADOW-EARTH-79と他の入札者によるStarlink広告インプレッションの購入数、および各入札者のリフト値
バイヤーStarlink向け
広告配信数
Starlink広告全体に
占める割合
ベースラインシェアリフト
inmobi2,5420.5%0.1%5.0×
SHADOW-EARTH-7966,20812.9%2.6%4.9×
tu17,9933.5%1.2%3.0×
iqvia7730.2%0.1%2.5×
BUYER25160.1%0.04%2.5×
adswizz5,0890.9%0.4%2.3×
steelhouse196,79138.4%17.9%2.2×
tatari9,2351.80%0.9%2.1×
match2one7,9621.6%0.8%1.9×
azira4,0250.8%0.4%1.9×
deseret3,3420.7%0.4%1.6×
miqnam9640.2%0.1%1.4×
seesource1,5830.3%0.2%1.3×
chicory1,9590.4%0.3%1.2×
brstmedia8770.2%0.2%1.1×
表3:90日間のテスト期間におけるSHADOW-EARTH-79と他の入札者によるStarlink広告インプレッションの購入数、および各入札者のリフト値 注:記載したバイヤー名は本リサーチで使用した識別名です。ただし、SHADOW-EARTH-79とBUYER2は名称を変更しています。

Starlinkトラフィックでは、SHADOW-EARTH-79が105カ国で落札者となっています。このうち、カメルーン、シリア、スーダン、ミャンマー、リビアでは、Starlinkの利用が公式に禁止されているか、規制によって制限されています。これらの国のIPアドレスは、Starlink公式のジオフィードデータベースとの照合を含む複数の手法で位置を特定しました。ただし、IPジオロケーションには常に一定の誤差が伴います。

独自の位置情報データとStarlinkのジオフィードデータベースを比較したところ、不一致は2点のみでした。第一に、TrendAI™がミャンマーと特定したIP範囲は、Starlinkのジオフィードでは「カナダ」とされています。第二に、TrendAI™がスーダンと特定したIP範囲は、Starlinkのジオフィードではニジェールに属しています。それ以外の位置情報は正確とみられます。

もう1つ注目すべき点として、広告が配信されたASNを見ると、一部の国では政府系ネットワークに属するASNへ明らかに偏っていました。

表4は、2024年6月から2026年6月までのテレメトリ分析結果を示しています。

表4:観測データにおいて、Starlinkトラフィックの広告インプレッション落札者としてSHADOW-EARTH-79が1位、または上位5位以内となった国(同グループの観測落札件数順)
順位コード国SHADOW-EARTH-79の
Starlink入札数
全バイヤーの
Starlink入札数
SHADOW-EARTH-79の
割合
参加バイヤー数
1AUオーストラリア21,55138,06656.6%33
1ARアルゼンチン4,2444,65091.3%15
1NZニュージーランド4,1388,60248.1%25
1PHフィリピン3,9834,47089.1%17
1JP日本2,2902,77182.6%14
1BRブラジル2,1114,23749.8%25
1MYマレーシア1,3921,57988.2%9
1ESスペイン1,3521,54287.7%20
2CLチリ1,2734,40528.9%10
1FRフランス1,1331,75364.6%29
1ITイタリア1,0921,69164.6%18
1COコロンビア1,0351,34377.1%19
1SGシンガポール95898996.9%6
1NGナイジェリア66370693.9%7
1MXメキシコ55783366.9%24
1MGマダガスカル41745791.2%2
2PEペルー3941,18333.3%7
1DEドイツ3771,15332.7%24
1FJフィジー36946180.0%4
1DOドミニカ共和国34434998.6%4
4GB英国3143,3389.4%25
1WSサモア30334986.8%3
1GRギリシャ27834181.5%9
1GHガーナ27627799.6%2
1BGブルガリア26336572.1%8
1QAカタール24027687.0%8
1SZエスワティニ230230100.0%1
1CMカメルーン222222100.0%1
1ZMザンビア21930272.5%5
1VUバヌアツ21632267.1%4
1ZWジンバブエ21623492.3%4
1KEケニア16527160.9%6
1UYウルグアイ15215399.3%2
1MWマラウイ14817286.0%2
2MZモザンビーク9922943.2%2
1NEニジェール9696100.0%1
1BSバハマ919595.8%3
1BIブルンジ8787100.0%1
1ECエクアドル8614061.4%4
1HTハイチ7910376.7%2
1SLシエラレオネ7878100.0%1
1BWボツワナ7510174.3%4
2BEベルギー7325828.3%9
1HUハンガリー717792.2%3
1JMジャマイカ7110368.9%6
表4:観測データにおいて、Starlinkトラフィックの広告インプレッション落札者としてSHADOW-EARTH-79が1位、または上位5位以内となった国(同グループの観測落札件数順)

制裁対象国および紛争地域を狙った活動

制裁対象国や紛争地域では、欧米の正規広告に対する需要が実質的に存在しないため、こうした地域での活動は注意深く監視すべきです。本リサーチでは、需要がないにもかかわらずSHADOW-EARTH-79がこれらの市場に入札し、しかも多くの場合に最大のバイヤーとなっていることが分かりました。

表5は、この分類から選んだ地域におけるSHADOW-EARTH-79の入札者順位を示しています。

表5:制裁対象国および紛争地域から選んだ国・地域におけるSHADOW-EARTH-79の入札者順位
国観測イベント総数SHADOW-EARTH-79の
順位
SHADOW-EARTH-79の
イベント数
地域内1位の
バイヤー
シリア47127SHADOW-EARTH-79
リビア2661108SHADOW-EARTH-79
南スーダン123171SHADOW-EARTH-79
イエメン44117SHADOW-EARTH-79
アゼルバイジャン10,34617,776SHADOW-EARTH-79
アフガニスタン72217BUYER3
表5:制裁対象国および紛争地域から選んだ国・地域におけるSHADOW-EARTH-79の入札者順位

バックエンドインフラと技術分析

TrendAI™ Researchは、回収したコードとインフラ関連のアーティファクトをAI支援型分析にかけるという、比較的単純ながら効果的な手法を用いて、SHADOW-EARTH-79のバックエンドシステムを特定・再構築しました。多くのWebアプリケーション開発者はReact、Vue、Angularなどのフレームワークを使用し、アプリケーション全体と関連ファイルを1つのバンドルにまとめています。ユーザがプラットフォームにログインしているかどうかにかかわらず、このバンドルは公開状態のassetsフォルダから取得できる場合があります。

1
図1:公開状態のassetsフォルダから復元した、アプリケーション全体と関連ファイルを含むソースツリー

これらのシステムから配信されるJavaScriptを調べることで、認証に成功したユーザの画面に何が表示されるかを把握できます。手動スクリプトインジェクション、匿名化解除などのインターフェース機能は、監視とインテリジェンス収集を目的に設計されたツールの特徴と一致します。

2
図2:収集対象となるIPアドレスを高度に処理するため、アプリケーションに定義されたフィールドとフィールド名の例
3
図3:広告が配信された追跡対象者の情報を、さらに高度に処理・フィルタリングする機能

この「顧客向け」フロントエンドの設計全体を踏まえると、単なる広告管理プラットフォームではなく、「監視」と「インテリジェンス収集」のためのプラットフォームとして設計された可能性が高いと考えられます。

収集した証拠から、中~高の確度で、SHADOW-EARTH-79の広告活動は商業広告事業ではなく、ターゲティングと追跡のためのインフラとして機能していると判断できます。

不自然な入札行動、制裁対象国や紛争地域での著しい占有率、Starlinkのアドレス空間に対する顕著な過剰入札は、機微な地域の特定オーディエンスへ到達する意図を裏付けています。

推奨事項

広告業界向け

  • 本リサーチで特定したものと同様の入札傾向を示す広告主の活動を調査し、商業広告エコシステムの正当な参加者であるかを評価してください。

政府、企業、リスクの高い個人向け

  • 広告トラフィックが必要な場合でも、信頼できるものだけを許可してください。あるいは、機密性の高い場所や、標的となる可能性が高い個人のデバイスでは広告トラフィックをフィルタリングしてください。
  • 紛争地域や制裁対象国で活動する職員、または移動パターンが機微情報となる職務の担当者には、広告IDのリセット、広告のパーソナライズの無効化、携行するデバイスでの広告付きアプリの利用制限が有効です。
  • iPhoneの「ロックダウンモード」など、一部のモバイルデバイスには、第三者による悪意のあるペイロードの配信と実行を難しくする機能があります。こうしたデバイスモードを有効にすれば、監視活動の実行が困難になります。
  • モバイルデバイス上のアプリケーションにアクセス権限を付与する際は、最小権限の原則を適用してください。アプリケーション自体に害がなくても、広告ネットワークを経由してダウンロードされる可能性がある悪意のあるコンテンツや、広告用ソフトウェア開発キット(SDK)がアプリケーションに組み込まれていることに起因するリスクがあります。無料アプリケーションの多くは、無償配布から収益を得る主な手段として、こうしたSDK連携を利用しています。第三者製アプリケーションから不要な権限を取り除けば、アプリの機能を妨げることなくリスクを低減できます。
  • 広告ブロッカーの利用を検討してください。ただし、全面的に依存してはいけません。広告がユーザに表示されなくても、追跡イベント自体は発生している可能性があります。そのため、次の機能を備えた広告ブロッカーを選んでください。
    • Webトラフィックをインターセプトし、Webコンテンツから広告タグを除去できる
    • 広告付きアプリから広告バックエンドへの通信を遮断できる
    • 機微な追跡情報が広告ネットワークへ送信されることを包括的に防止できる
  • 全体としての目標は、悪用する可能性のある入札者をすべて特定することに頼らず、露出を抑えてリスクを低減することです。SHADOW-EARTH-79など、疑わしいことが判明している運用者の広告配信インフラを特定できる場合は、該当するバックエンドやクラウドプロバイダーのエンドポイントへのトラフィックを遮断してください。SHADOW-EARTH-79のインフラに関するTrendAI™の追跡情報はTrendAI Vision One™で確認できます。信頼できる関係者には、業界内の確立された信頼関係に基づくコミュニティを通じて追加情報も提供しています。

参考記事:

Invasive Ads: The Unconventional Cyber Surveillance Attack Surface

By: TrendAI™ Research

翻訳:与那城 務(Platform Marketing, TrendAI™ Research)