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AIと新興テクノロジー脆弱性とエクスプロイト

TrendAI™、OpenAIのGPTサイバーモデルを活用し、エクスポージャー時間ゼロへの競争を加速

OpenAIのGPTサイバーモデルにより、TrendAI™は脆弱性の発見から修正までのエクスポージャーの窓を、これまで以上の速さで閉じられるようになります。

AIテクノロジー・メディア・通信産業・エネルギー金融サービスエクスプロイトとゼロデイ

防御とは常に、すでに起きた出来事への対応を意味してきました。脆弱性が発見され、悪用され、やがてパッチが適用される。どれほど取り組んでも、この順序は変わりませんでした。これまでは。

OpenAIの共同創業者であるグレッグ・ブロックマン氏が、同社のカンファレンス「Intelligence at Work: Cyber」で提示した最新の提言「The Defender’s Window(防御側の窓)」に注目してきました。同氏の主張は、AIによって防御側が初めて先手を打てるようになる、というものです。攻撃側と防御側の双方がAIの能力を高めるなかでも、十分な体制を整えれば、防御側が先手を取れる短い機会が生まれます。

エクスポージャーの窓に繰り返し立ち戻る理由

これは、セキュリティを構築する立場から私が訴えてきたことと同じです。脆弱性の発見から緩和までに要する時間を短縮し、企業のお客さまを支援するという考えです。今回のイベントでも、この窓を実際に閉じるには何が必要なのかをお伝えします。

先週、TrendAI™は2つの大きな節目を迎えました。1つ目は、十分なリソースを持たない防御側が必要とするオブザーバビリティツールと脅威インテリジェンスの構築を約束し、ほかの106組織とともにOpenAIの「Collective Cyber Defense」公開書簡(英語)へ署名したことです。

2つ目は、188の大規模オープンソースソフトウェアプロジェクトから収集した1,507件の確認済み脆弱性を対象とする、UC Berkeleyのエージェント型AIセキュリティベンチマーク「CyberGym」で、TrendAI™が成功率97%を記録して首位になったことです。OpenAIのGPTサイバーモデルは、この結果を支えたシステムで重要な役割を果たしています。

この数字を心から誇りに思いますが、ランキングは最初の一歩にすぎません。誰が最も速くギャップを埋めたかは、ランキングでは測れないからです。実際に人を守るのは、エクスポージャーの窓を閉じることです。

基盤を支えるアプローチ

CyberGymの結果は、単一のモデルだけで得られたものではありません。TrendAI™のエージェント型エクスプロイト修復エンジンは、OpenAIを含む4社のプロバイダが提供する7つのAIモデルを活用しています。首位につながったのは、1つのエンジンに依存するのではなく、それぞれの強みを連携させたことです。このエコシステムには、TrendAI™ Zero Day Initiative™(ZDI)(英語)も組み込まれています。ZDIでは、適切に統制されたゼロデイ脆弱性の発見に加え、Nデイ脆弱性とパッチ差分のインテリジェンスを日々扱っています。

ベンチマークのワークフローでは、OpenAIのGPT-5.6が、特に難度の高い分析タスクの一部を担いました。これは偶然ではありません。まさにDaybreak Defense Networkを通じて検証している、防御目的のセキュリティ活動です。

GPT-5.6がこの役割を担う理由は、主に次のとおりです。

  • プロトコル固有のエッジケースとディセクタの構築: GPT-5.6は、形式が不正なプロトコルや文書化されていないプロトコルの解析に必要となる、仕様レベルの推論に対応します。
  • 敵対的検証: GPT-5.6は、最初に見つかった妥当そうな答えをそのまま受け入れず、初期仮説を厳しく検証します。誤検知によって防御側の信頼を失いかねない場面では、特に重要です。
  • プロバイダ間の独立性: GPT-5.6をほかのモデルファミリと併用することで、調査結果を検証する際に追加のチェックが働きます。1つの研究機関だけで、自らの成果を評価する状況は避けなければなりません。

ベンチマークだけではない、実環境での仕組み

これは研究段階のプレビューではありません。TrendAI™はすでに、検証済みの脆弱性インテリジェンスを仮想パッチと検知ロジックへ変換し、数週間に及ぶこともあるエクスポージャーの窓を限りなくゼロへ近づけています。TrendAI Vision One™は、エンドポイントだけでなく、エージェント型システムが通信し行動するインタラクション層でも、この保護を適用できます。攻撃活動が加速するなか、防御側に新たな対応手段を提供します。

セキュリティリーダーに取り組んでほしいこと

OpenAIの公開書簡が重要インフラを重視しているのは、妥当です。病院水道システム電力網では、リスクにさらされる時間の長さが現実の被害に直結します。この時間を最小限に抑えるには、次の3点が重要だと考えます。

  1. エクスポージャー領域を把握する。 静的なスコアではなく、AIを活用して優先順位を付けます。TrendAI™は最近、CISAの「既知の悪用された脆弱性(KEV)」カタログへの取り組みを強化し、2026年版サイバーリスクレポートを公開しました。このレポートでは、脆弱性インテリジェンスに脅威のコンテキストと事業への影響を組み合わせ、個々の環境で最も重要な対象を優先できるようにしています。
  2. エクスポージャーの窓をプロアクティブに閉じる。 オブザーバビリティと仮想パッチを活用し、恒久的な修正のテストと展開が完了するまで、セキュリティルールによって既知の脆弱性を一時的に保護します。攻撃者の速度と規模が増すほど、このアプローチは重要になります。TrendAI™のサイバーセキュリティプラットフォームは、エンドポイントで保護を終わらせず、脅威の動きに合わせて保護を広げるよう設計されています。
  3. インタラクション層そのものにガバナンスを組み込む。 周囲から後付けするのではありません。エージェント型システムは、単一のマシンやアカウントを囲む従来の境界内では動作しません。エージェント間の通信、意思決定の伝播、意図から行動への変換といった、相互作用の中で動作します。したがって、後から追加するのではなく、設計段階からエージェントの挙動、権限、実行時の活動を可視化する必要があります。

最もリスクの高い業界を支援し、資金の流れを守り、信頼の構築を加速する

TrendAI™は幅広い業界を支援していますが、ここでは金融サービス機関が直面する固有の課題を掘り下げます。金融分野では、エクスポージャーの窓がそのまま事業リスクの窓でもあります。銀行、決済事業者、保険会社、資本市場関連企業は、可用性と信頼を切り離せない重要なシステムを運用しています。決済、顧客口座、取引などの重要サービスを支えるインフラに脆弱性が生じても、直ちにパッチを適用できるとは限りません。変更内容をテストし、依存関係を把握し、重要サービスを稼働させ続ける必要があります。AIによって攻撃者が脆弱性をより速く悪用できるようになるなか、その重要性は一層高まっています。

TrendAI™は、TrendAI™ ZDIの脆弱性インテリジェンスと、AIを活用したエクスポージャーの優先順位付けに、仮想パッチなどの適用可能な代替保護策を組み合わせています。これにより、恒久的な修正を安全にテストして実施時期を決める間も、金融サービス機関のエクスポージャーの窓を縮められます。目的は、単なるパッチ適用の迅速化にとどまりません。運用リスクを管理しながら重要な金融サービスを保護し、資金の流れを止めることなく、顧客の信頼を維持できるようにすることです。

テクノロジー、メディア、通信をマシンスピードの脆弱性悪用から守る

5Gファブリック、伝送パイプライン、クラウドネイティブのバックボーンを運用する組織では、緊急パッチの適用によってサービスの稼働継続が脅かされる場合、深刻なリスクにさらされます。自律型エクスプロイトによって、分散マイクロサービス間の一時的なAPI接続が攻撃に利用されるなか、通信事業者級のネットワークを停止することは、運用上現実的ではありません。

そこで力を発揮するのが、TrendAI™のエージェント型エクスプロイト修復エンジンとTrendAI™ ZDIの脆弱性インテリジェンスです。TrendAI™は、インタラクション層で動的に仮想パッチを適用し、転送中の不正なペイロードを遮断して重要システムを保護します。これにより、運用停止や下流のサプライチェーンリスクを招くことなく、ゼロデイ脆弱性に対する防御を直ちに提供できます。

この記事にまとめた理由

このような防御活動にフロンティアモデルを利用できるようにし、セキュリティを構築する人々が連携できるプログラムを設けたOpenAIに、心から感謝しています。フロンティアAI企業とセキュリティの防御側は、イノベーションと安全性のどちらか一方を選ぶ必要はありません。進化するAIの能力を活用すれば、防御側はより多くの時間と有用なコンテキストを得て、さらに効果的に行動できるようになります。

今週の取り組みも、その実現に向けた一歩です。OpenAIの「Intelligence at Work: Cyber」に参加し、エクスポージャーの窓を実際に閉じるには何が必要なのかを、さらに詳しくお話しできることを楽しみにしています。

参考記事

TrendAI™ Brings OpenAI's GPT Cyber Models Into the Race to Shrink Exposure Time to Zero

By : Rachel Jin

翻訳:与那城 務(Platform Marketing, Trend Micro™ Research)